葛飾区長選挙でも異議申出、候補者の谷野氏が「票の数え方に問題」として選挙無効を求める

11月9日に行われた葛飾区長選挙について、落選した候補者の谷野せいしろう氏が「選挙が無効だ」とする異議申出を11月21日に提出し、同日受理されました。
議会議員選挙に続き、区長選挙でも選挙の効力を問う申し立てが行われる異例の事態となっています。
関連リンク:葛飾区議会議員選挙の「効力」に異議申出、開票手続きに疑義として選挙無効を求める
※写真はイメージです。
今度は区長選挙の候補者が申し立て
区議会議員選挙の異議申出(11月20日受理)に続き、翌日には区長選挙についても異議申出が提出されました。
申出人は谷野せいしろう氏で、区長選挙に立候補した本人です。
具体的に何が問題だと主張しているのか
谷野氏が問題視している点は、開票作業での票の確認方法です。
問題とされる手続き
- 最終的な票の束の確認が「選挙管理委員の目視による確認」だけで行われた
- この方法では、他の候補者の票が混じっていても発見できない可能性がある
なぜこれが重要なのか
選挙では、候補者が一定数以上の票を獲得すると
- 供託金が返還される(通常は没収される)
- 公費負担金(選挙運動にかかる費用の一部を公費で負担)の対象になる
もし票の数え間違いがあれば、これらの判定が変わってしまう可能性があるということです。
「法定票」とは何?
谷野氏が言及している「法定票」とは、供託金返還や公費負担の基準となる票数のことです。
区長選挙の場合、有効投票総数の10分の1以上を獲得すれば供託金が返還されます。
つまり、票の数え方に問題があったために、本来なら基準に達していたかもしれない票数が正しく認められていない、と主張していることになります。
議員選挙とは異なる観点
昨日受理された区議会議員選挙の異議申出は「開票立会人の選任手続き」が主な争点でしたが、今回の区長選挙の異議申出は「票の数え方・確認方法」が争点となっています。
同じ日に行われた2つの選挙で、それぞれ異なる角度から選挙の適正性が問われる形になりました。
今後の流れ
区長選挙の異議申出についても、葛飾区選挙管理委員会は受理日(11月21日)から30日以内に決定を下すことになっています。
つまり、12月21日頃までには結論が出る予定です。
異例の事態
同じ自治体で、同じ日に実施された2つの選挙(区議選・区長選)の両方に対して異議申出が行われるのは非常に珍しいケースです。
これにより、葛飾区選挙管理委員会は
- 区議会議員選挙の異議申出(12月20日頃まで)
- 区長選挙の異議申出(12月21日頃まで)
の2件の重要な判断を同時期に行うことになります。
区政への影響
現在のところ、青木克徳区長は通常通り公務を続けており、区議会も新体制で活動を開始しています。
しかし、両方の選挙で異議申出が行われたことで、選挙の透明性や適正性について改めて注目が集まっています。











